2019年3月21日(木)にイチロー選手が現役引退をしました。
僕はリアルタイムでイチロー選手の引退会見を見てましたが、ユーモアがありながらも野球を極めた人ならではのコメントに勉強にしかならなかったです。
まさに「求道者」という表現がぴったりだと思います。
そんなイチロー選手の引退会見のなかで印象的なコメントはいくつかあったんですが、その中でも個人的に一番インパクトがあったのは「誰のために野球をやっていたのか?」という部分でした。
これに対するイチロー選手のコメントが「自分のために働くのか、それとも人(会社)のために働くのか?」という「答えのない問い」への1つの回答になってるのではないかと思ったからです。
今回は、イチロー選手の引退会見から「何のために働くのが良いのか?」について学んでいきたいと思います。
イチロー選手は誰のために野球をやってたのか?
プロ野球選手として数々の記録や記憶に残るヒットを打ち続けたイチロー選手。
今更どれくらいイチロー選手が凄かったなどの野暮な話はいたしません。
野球少年だった僕にとって、また多くの野球経験者にとってイチロー選手は「憧れ」であり、「同じ日本人としての誇り」のような存在だったと思います。
野球に熱中したことある人なら誰もが尊敬するイチロー選手は「誰のために」野球をやってたのか?
また、何をモチベーションの源泉としてプロ野球選手として9年間、メジャーリーガーとして19年間の計28年間のプロ生活を続けていたのか?
イチロー選手の引退会見のなかに「その答え」はありました。
ある時までは自分のためにプレーすることがチームのためにもなるし、見てくれる人も喜んでくれるかなという風に思ってたんですけれど。
ニューヨークに行った後ぐらいからですかね…。人に喜んでもらえることが、一番の喜びに変わってきたんですね。
その点で、ファンの方々の存在無くしては、自分のエネルギーは全く生まれないと言っても良いと思います。イチロー選手の引退会見
イチロー選手の引退会見でのコメントから分かるのは「自分のため⇒ファンのため」へとモチベーションの源泉が変化したということです。
つまり、最初は自分のために野球をしてて、それから自然とファンのためになったということ。
では、具体的にいつからいつまでが「自分のため」で、いつから「ファンのため」に野球をするようになったのか?
「ニューヨークに行った後くらいから野球へのモチベーションが変わった」とコメントしてるので、そこから考えてみると…。
小学校3年生からプロ野球で7年間連続で首位打者を獲得し、シアトル・マリナーズで年間の歴代最多安打数記録を塗り替え、首位打者を2回も獲得した時には「自分のため」に野球をしてて、ニューヨーク・ヤンキースに移籍してからシアトル・マリナーズに帰ってくるまでの8年間の間は「ファンのため」に野球をしてたということになります。
数々の歴代記録を塗り替え、選手として輝かしい成績を残してた時期のイチロー選手は「誰かのため」や「ファンのため」、「お金のため」などではなく「自分のため」に野球をしていたんです。
自分のために働き続ければ「誰かのため」になる
では、本題に入っていきます。
社会人になって仕事をしてると「何のために働くのか?」と迷うときはあります。
「自分のため」なのか「誰かのため」なのか、それとも「生活やお金のため」なのか。
一体、何のために働けば良いのか見失うときは誰にだってあることです。
もちろん、人それぞれの働く目的はあると思うし、こっちが正解でそっちは不正解みたいな話ではありません。
ただ、イチロー選手が「自分のために野球をしていた」というのは1つの答えではないかと思います。
数々の記録を塗り替えてきた時代のイチロー選手は「自分のため」に野球をしてたかもしれないけど、チームの優勝に貢献してたし、その活躍は多くの人に勇気や希望を与えてきました。
また、チームを転々としながら「ファンのため」に野球をするようになったからでも、イチロー選手の野球への姿勢や懸命なプレーを見てチームメイトは良い刺激を受けていたという話を聞くことは多いし、多くの日本人にパワーを与えてました。
つまり、イチロー選手は「自分のため」に野球をしてたかもしれないけど、最終的には「誰かのため」になっていたということです。
これは「何のために働くのか?」という問いへの1つの答えになってると思います。
自分のために働けば「知識」や「スキル」、「経験」が増えていきます。
その結果、自分が活躍できるフィールドが増え、会社の売上に貢献できたり後輩の良い目標になったり、お客さんからの感謝へと繋がっていきます。
だから、まずは自分が満足するまで「自分のため」に働けば良いんだと思います。
ただ…。
イチロー選手のコメントにもありましたが「自分のため」だけではモチベーションが上がらない時期がやってくるはずです。
そんな時期を迎えたのなら「誰かのために働こう!」とモチベーションの源泉を変えれば良いんだと思います。
これは仏教の「自利利他」精神に繋がることでもありますよね。
最初は自分のために頑張って、その努力した結果を価値にして誰かに届ける。
なので、自分のために働けば誰かのためになってるし、自分のために働くことが難しくなったのなら「誰か」や「会社」のために働けば良いんだと思います。
自分のために働くのに我慢はいらない
自分のために働き続ければ、最終的に誰かのために働くことへと繋がっていきます。
だから大切なのは「自分のために頑張り続ける」こと。
何のためでもなく、ただ惰性に働いてるだけでは「誰か」のためになろうはずがありません。
では、「頑張り続けるため」に何が必要なのか?
それについてもイチロー選手の引退会見から紐解くことができました。
我慢が苦手で、楽なこと楽なことを重ねてるという感じなんですね。
自分ができること、やりたいことを重ねているので、我慢の感覚がないんですけど。
だから、とにかく身体を動かしたくてしょうがないので。
こんなに動かしちゃダメだといって、身体を動かすことを我慢するということはたくさんありました。
それ以外は、なるべくストレスが無いような、自分にとってですね。
ストレスが無いように行動してきたつもりなので。イチロー選手の引退会見
イチロー選手の引退会見コメントから分かるのは、頑張り続けるのに「ストレスがないようにしてた」ということです。
もちろん「頑張り続けるため」に必要なものは、他にも沢山あると思います。
だけど「頑張り続ける」ためにはストレスはないほうが良いのは間違いないことだと思います。
好きになれない仕事を自分のためにと頑張ってみても息切れするだろうし、ネガティブな雰囲気が漂う職場で働いててもモチベーションを維持するのは難しいですよね。
「自分のため」に頑張り続けるには「自分がストレスなく取り組める仕事かどうか?」ということも凄く大切なんです。
「イチロー選手の野球」と「会社員の仕事」は同じ
僕がイチロー選手の引退会見をリアルタイムですべて見て思ったことは、「イチロー選手の野球と会社員の仕事の考え方は全く同じ」ということです。
僕がそう感じたのはイチロー選手のこのコメントでした。
-野球の魅力は?と聞かれ-
野球は団体競技なんですけど、個人競技だっていうところですかね。
これは野球の面白いところだと思います。
チームが勝てば、それでいいかというと、全然そんなことない。
個人としても結果を残さないと、生きていくことはできないですよね。
本来はチームとして勝っていれば、チームとしてのクオリティは高いはずなので、それでいいじゃないかという考え方もできると思うんですけど、決してそうではない。
その厳しさが面白いところかな。
面白いというか魅力であることは間違いないですね。イチロー選手の引退会見
イチロー選手の野球の考え方は、会社員の仕事への考え方に通ずるものがあります。
会社の利益が右肩上がりだったとしても、自分が成果を出してなかったり貢献してなかったら出世することはないし、一時金は貰えるかもしれないけど昇給はむずかしいですよね。
また、会社が順調なのを良いことに努力することを止めてしまったら、いつの間にか社内ニートになってる危険性だってあります。
なので、会社はライバル会社との団体競技だけど、会社員の仕事は同僚や上司たちとの個人競技だとも言い換えれますよね。
「イチロー選手の野球」と「会社員の仕事」は別物などではなく、本質的には全く同じなんです。
イチロー選手、ありがとう!
今回は、イチロー選手の引退会見から「自分のために働き続ければ、誰かのためになる」ということを学ぶことができました。
人それぞれ「何のため」に働くのかは違って良いと思いますが、偉大な成績や第一線で活躍し続けたイチロー選手の考え方はとても参考になると思います。
「自分のために頑張り続ければ、誰かのためになる」
最後の最後までイチロー選手はカッコよかったです!
ありがとうございました!!!